デビッド・ケイ。David Kay。アメリカ中央情報局(CIA)特別顧問。
1月23日、イラク戦争終結後、大量破壊兵器開発の証拠探しを率いてきたデビッド・ケイCIA特別顧問が辞任。
湾岸戦争直後の1991年から92年にかけて国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)の核兵器査察責任者としてイラクの査察を担当。2003年6月からはCIA特別顧問としてイラクで大量破壊兵器の捜索に当たるアメリカ政府調査団の団長を務めていた。03年10月2日の中間報告で、これまでの捜索で生物・化学兵器など「実物の大量破壊兵器」は発見されなかったと発表。その一方で、「フセイン(元大統領)を含むイラク高官が大量破壊兵器製造を続ける意図を持っていたことを裏付ける証拠を見つけた」と強調していた。04年1月23日の辞任の際には「1990年代半ば以降、大量の生物・化学兵器の備蓄が存在していたとは思えない」とロイター通信の電話インタビューに答えた。1月28日ケイ前団長はアメリカ上院軍事委員会でも、イラクに生物・化学兵器の大量備蓄は存在しないこと、発見される可能性も極めて低いことを明言した。CIAはケイ団長の後任にUNSCOMのチャールズ・ドルファー元副委員長が就任すると発表。CIAのテネット長官は「ドルファー新団長は必ず大量破壊兵器の存在を確認すると信じている」との声明を出した。