ナガハラ・ケイジ。日本史学者。
7月19日、日本中世史研究の大家で、教科書問題などにも積極的に発言した永原慶二さんが、血管のがんのため死去。81歳。
1922年旧満州(中国東北部)大連生まれ。専攻は日本経済史。東京帝国大学文学部在学中に学徒出陣し、海軍中尉で敗戦。東京大学史料編纂所員、同社会科学研究所講師をへて、58年一橋大学助教授、63年から86年まで同教授を務めた。のち、日本福祉大学客員教授、和光大学教授などを歴任。荘園制、大名領国制などの研究を踏まえ日本中世史全般を把握するその研究で、戦後の歴史学会に大きな足跡を残した。歴史教科書の筆者として、家永教科書検定訴訟では原告側を支援。教科書から「従軍慰安婦」の記述を削除することに反対し、「教科書に真実と自由を」連絡会の世話人代表も務めた。主な著書に「日本封建社会論」「下剋上の時代」「皇国史観」「日本中世の社会と国家」「戦国期の政治経済構造」「日本の歴史(全21巻)」(編者)などがある。