トヨタケ・コマツダユウ。本名、小西実。人形浄瑠璃文楽大夫。
9月20日、「NPO法人 人形浄瑠璃文楽座」の事務局長を務めた人形浄瑠璃文楽大夫の豊竹小松大夫さんが、心不全で死去。71歳。
1953年、人間国宝(重要無形文化財保持者)の四世竹本越路大夫に入門。54年に初舞台。人形浄瑠璃文楽は三つの要素からなり、大夫(浄瑠璃語り)、三味線(三味線弾き)、人形(人形遣い)で構成される。豊竹小松大夫は品格ある浄瑠璃を聞かせる実力者として知られ、重要無形文化財(総合認定)保持者でもあった。また、後進の指導にも熱心だった。「人形浄瑠璃文楽座」の特定非営利活動法人(NPO法人)化に尽力し、2002年のNPO法人化の後は事務局長として活躍、小規模な公演や小学校での指導・講習などで新たな観客層を掘り起こしをはかった。03年のユネスコによる人形浄瑠璃文楽の世界無形文化遺産登録にも尽力。文楽協会賞、因(ちなみ)協会奨励賞などを多数受賞。04年3月の地方公演「釣女」の太郎冠者が最後の舞台となった。