ビクトル・ユシチェンコ。Viktor Andriyovych Yushchenko。ウクライナ大統領候補。
12月3日、ウクライナ大統領選挙をめぐる与党側選挙違反の有無について審理を行っていた同国最高裁が、選挙無効を求めたユシチェンコ元首相の訴えを認める判決。
1954年、ウクライナ・スミィー州生まれ。経済・財政専門学校卒業後、銀行畑を歩み、93年ウクライナ国民銀行総裁に就任。99年に再選されたクチマ大統領により首相に起用され、改革派の旗手として国民の人気を集め次期大統領候補と呼ばれてきたが、2001年最高会議(国会)の与党勢力による不信任決議で辞職に追い込まれた。02年の総選挙では親欧米改革派ブロック「われらのウクライナ」を率い議会第2勢力とした。04年10月31日に迎えた大統領選挙では、クチマ大統領の後継者で親ロシア派のヤヌコビッチ首相とのいずれかが次期大統領になるものとみられ、ロシア対欧米の代理戦争のような様相も呈していた。11月21日の決選投票では投票箱が放火されたケースや、投票時間が深夜まで延長され投票率が110%になる選挙区がでるなど、不正が次々と明らかになり、ヤヌコビッチ首相を「当選」とした中央選管の開票結果に対し、ユシチェンコ元首相が「無効」を申し立てていた。また選挙前に、ユシチェンコ元首相は与党関係者らと食事をした後で体調が急変、突然、顔や体がはれあがった原因が、猛毒のダイオキシンを摂取させられたためとみられることが判明。司法当局が毒殺未遂疑惑として新たに捜査を開始した。