ハギワラ・ヨウコ。作家。
7月1日、萩原朔太郎の長女で、「蕁麻(いらくさ)の家」の作者である萩原葉子さんが、播種(はしゅ)性血管内凝固症候群のため死去。84歳。
1920年、東京生まれ。8歳のときに母親が駆け落ちして家を出、障害のある妹とともに前橋市の父方の祖母に預けられた。44年に結婚したが、その後離婚。59年に発表した「父・萩原朔太郎」で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞し、本格的執筆活動を始める。66年、朔太郎に師事した詩人・三好達治を描いた「天上の花」で新潮文学賞、田村俊子賞を受賞。同時に芥川賞候補にも選ばれる。76年に女流文学賞を獲得した「蕁麻の家」は、複雑な家庭環境で過ごした青春時代を綴った自伝的作品。続編の「閉ざされた庭」では、自身の不幸な結婚生活を描いた。「輪廻の暦」は自伝3部作の完結編。また、40歳を過ぎてからダンスを始め、70歳代でアクロバット入りのデュエットダンスにも挑戦。「生涯楽しめるダンス入門」、「ダンスで越えた私の人生」などの著書もある。