ナミカワ・バンリ。写真家。
5月7日、シルクロードを中心に世界の文化遺産を撮影してきた並河萬里さんが、肺がんのため死去。74歳。
1931年、東京生まれ。55年に日本大学芸術学部写真学科を卒業し、KRテレビ(現・東京放送)に入社するが、同年にフリーとなる。主に報道写真を撮っていたが、遺跡が破壊されるさまを目撃したことをきっかけに、文化遺産を撮るようになった。30年以上にわたって撮り続けたシルクロードの写真には、タリバンに破壊されたバーミヤンの石仏など、現在では見られないものも含まれている。70年代に右目を失明、2000年には両足を骨折するなど、撮影中のけがも絶えなかったが、精力的に活動を続けた。世界各国での活動を認められ、1989年にはユネスコ世界文化遺産主席写真家に指名された。