ヒダリ・サチコ。本名、額村幸子(ぬかむら・さちこ)。女優。
11月7日、映画、テレビなどで活躍した女優の左幸子さんが、肺がんのため、東京都中央区の国立がんセンターで死去。71歳。
1930年、富山県出身。50年、東京女子体育専門学校(現・東京女子体育大)卒業。2年間、高校で教職に就いたのち、52年に、新東宝「若き日のあやまち」で映画デビュー。「神坂四郎の犯罪」(56年、久松静児監督)で、結核の少女と無理心中を迫る女との一人2役を演じて注目され、以後、「幕末太陽傳」(57年、川島雄三監督)、「彼女と彼」(63年、羽仁進監督)、「にっぽん昆虫記」(63年、今村昌平監督)、「飢餓海峡」(65年、内田吐夢監督)などの話題作で、踏みにじられながらも、したたかに生きる「日本の女」を演じつづけた。「彼女と彼」「にっぽん昆虫記」で、ベルリン国際映画祭主演女優賞をはじめ、国内外の映画賞を数多く受賞。77年には、「遠い一本の道」で企画、主演、監督の3役を果たす。
私生活では、59年に映画監督の羽仁進氏と結婚して夫婦で映画を共作したが、後に離婚。56歳で胃の摘出手術を受け、映画から遠ざかったが、91年にNHKのドキュメンタリー番組で四国遍路の旅に挑戦し、2カ月で八十八カ所霊場を歩き通して話題になった。95年の「スキヤキ」が最後の映画出演作に。