タナカ・マキコ。小泉内閣前外相。衆議院議員(新潟5区)。元科学技術庁長官。
2月20日、衆院予算委員会でのNGO排除問題についての参考人招致で、田中真紀子前外相は、小泉純一郎首相の自分に対する更迭判断について、「総理の判断は間違い。首相自身が『抵抗勢力』になりきってしまっているのではないか」「首相が『自由にやれ』というから動こうとすると、スカートを誰かが踏んでいる。見ると、言っている本人(首相)じゃないかという思いがあった」と、首相を公然と批判。小泉首相は、その後の集中審議で、外相更迭人事の妥当性について、「適切だったと確信している」と答弁し、田中前外相の批判を黙殺。
与党側が、外務省問題による国会の混乱に決着をつけ、予算を成立させて政権の立て直しをはかるために受け入れた田中前外相と鈴木宗男衆院議員の参考人招致だったが、「更迭劇の責任は首相にある」とする田中前外相の批判戦術に、小泉政権の支持率がさらに低下するのは必至。鈴木宗男議員の「ムネオ疑惑」とあわせて、小泉政権の波乱要因になる可能性も。
1944年、新潟県出身。田中角栄元首相の長女。夫は田中直紀参議院議員。早稲田大学卒。早大在学中に、劇団「雲」の研究生となり、女優を志す。高校時代にアメリカ留学した語学力を生かし、田中首相の外遊に同行。名補佐役ぶりを発揮して脚光を浴びる。ロッキード事件で田中首相が失脚後、夫と父の選挙運動を支えて当選させる。
93年、衆院選に無所属で立候補し、トップ当選を果たして自民党に入党。父親譲りの毒舌で、主婦層を中心にカリスマ的な人気を持つ。94年の村山内閣で科学技術庁長官に。2001年の自民党総裁選で、小泉純一郎候補と二人三脚で選挙運動を展開し、小泉総裁を誕生させて、小泉内閣の外相に。02年1月、アフガニスタン復興支援国際会議へのNGO参加排除問題の処理をめぐり、外務官僚、首相官邸との意見不一致で外相更迭に。