マツイ・コウセイ。本名、松井美明(まつい・みめい)。陶芸家。
4月11日、異なる種類の土を組み合わせる練上の技法で知られる、陶芸家で人間国宝の松井康成さんが、急性呼吸不全のため死去。75歳。
1927年、長野県生まれ。茨城県・笠間の製陶所で作陶技術を学んだのち、明治大学文学部へ入学。57年、父の跡を継いで笠間市の月崇寺の住職となる。60年頃、廃窯となっていた山門下の窯を再興し、東洋陶磁の研究に着手。中国の古い技法だった練上を研究・発展させた。69年、伝統工芸新作展に初出品した「練上手大鉢」が初入選。71年に日本伝統工芸展日本工芸会総裁賞、73年には日本陶芸展最優秀作品賞、秩父宮賜杯などを受賞。性質の異なる2種類以上の陶土を用いる練上技法は高度な技術を要するが、その技術を応用した独自の世界を築き、その後も数多くの賞を受賞。93年、昭和生まれの工芸家として初の人間国宝に認定された。