ナカムラ・キハル。本名、山本和子。
1月5日、英語を話す新橋芸者として知られた中村喜春さんが死去。90歳。
1913年、東京生まれ。銀座の医者の家庭に育ったが、芸事好きが高じて16歳で芸者となる。お座敷で清元や小唄の意味を通訳らが説明できないのを見かね、座敷を務めながら学校に通って英語を習得。ベーブ・ルース、チャーリー・チャプリン、ジャン・コクトーら海外からの賓客、政財界の要人を接待した。56年に渡米し、オペラのアドバイザーをしながら小唄や長唄など日本の伝統芸能を教え、プリンストン大学などで日本文化についての講義を行った。83年、その体験をまとめた「江戸っ子芸者一代記」がベストセラーとなり、テレビドラマ化、舞台化され話題になった。他の著書に「ああ情なや日本」「いきな言葉 野暮な言葉」などがある。