ムクタダ・サドル。Muqtada al-Sadr。宗教指導者。
4月4日、イラクのイスラム教シーア派の指導者ムクタダ・サドル師が、「敵を震え上がらせよ」と連合国暫定当局への実力行使を呼びかける声明を発表。
対米強硬派として知られるイスラム教シーア派の指導者。生年と出生地は明らかにしておらず、年齢も自らは30歳代だといっているが、本当は20歳代だろうといわれている。1999年に旧フセイン政権に暗殺された当時のシーア派最高権威ムハンマド・サーディク・サドル師の息子だが、まだ正式の宗教者とは認知されていない。2004年4月4日、イラク中部のイスラム教シーア派の聖地ナジャフ近郊で、占領当局に拘束されたサドル派幹部の釈放を求める群衆が占領軍と衝突。サドル師の影響下にある民兵組織マフディ軍団のメンバーにも死者が出た。サドル師は占領軍に対する武力による実力行使を呼びかけ、同軍団とともに隣町クーファのモスクに籠城。サドル師の支持者は首都バグダッド、南東部のアマラ、南部のナシリヤでも占領軍と衝突した。6日、サドル師はナジャフに移動しシーア派の初代最高指導者であるアリの聖廟近くの事務所に立てこもり、シーア派強硬勢力を力で封じ込めようとするイラク駐留アメリカ軍とのにらみあいを続けている。