フランソワーズ・サガン。Francoise Sagan。本名、Francoise Quoirez(フランソワーズ・クワレーズ)。作家。
9月24日、「悲しみよこんにちは」などの小説で知られる作家、フランソワーズ・サガンさんが、心不全のため死去。69歳。
1935年、フランス・ロート県カジャルク生まれ。「サガン」というペンネームは、プルーストの小説「失われた時を求めて」の登場人物の名前。53年、18歳の時に7週間で「悲しみよこんにちは」を執筆し、翌54年に出版。同作品は世界20数カ国で翻訳され、約500万部のベストセラーとなった。その他「ある微笑」「ブラームスはお好き」「すばらしい雲」などの作品がある。2度結婚し、2度ともすぐ離婚するなど、自分の小説の主人公のような私生活ぶりで、フランソワ・モーリヤックの言葉によると「魅力的な小悪魔」「小さな魅力的な怪物」とも呼ばれた。57年にはスポーツカーを運転中に事故を起こし、瀕死の重傷を負う。カジノ賭博やアルコール依存症も経験。麻薬の不法所持や常用で有罪判決を受けたほか、脱税罪に問われるなど、スキャンダルにつきまとわれた。晩年はアルコールや薬で健康を害し、莫大な印税もすべてカジノや友人とのつきあいで使い果たし、大邸宅だった自宅も手放すことになった。まさしく20世紀をかけぬけるかのような生き様、死に様であった。