ホンダ・ヤスハル。ノンフィクション作家。
12月4日、「不当逮捕」などの作品で知られるノンフィクション作家の本田靖春さんが、多臓器不全のため死去。71歳。
1933年、旧朝鮮・京城生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、55年読売新聞に入社。社会部記者、ニューヨーク特派員などを経て71年退社。64年には"黄色い血(売血)"根絶キャンペーンなどを手がけた。「売春汚職事件」でスクープを放ちながら検察内部の権力闘争に巻き込まれ、名誉棄損に問われ不当に逮捕された立松和博記者を描いた「不当逮捕」で、84年講談社ノンフィクション賞を受賞。また、吉展ちゃん事件を扱った「誘拐」、金嬉老事件をテーマにした「私戦」、その他に「村が消えた」、「疵―花形敬とその時代」などの作品がある。晩年は糖尿病や大腸がんなどで闘病の傍ら執筆を続け、2000年4月号から連載を始めた「月刊現代」の「我、拗ね者として生涯を閉ず」の05年1月号掲載分が最後の原稿になった。