ノムラ・ヨシタロウ。映画監督。
4月8日、「張込み」「砂の器」などで知られる映画監督の野村芳太郎さんが、肺炎のため死去。85歳。
1919年、京都市生まれ。父・野村芳亭(ほうてい)は初期日本映画の代表的監督のひとりで、松竹撮影所の所長も務めた。41年、慶應義塾大学卒業後に松竹大船撮影所入り。翌年第二次世界大戦に応召、46年復員後は、黒澤明の助監督などを務め、52年に「鳩」で監督デビュー。松本清張の小説を映画化した58年の「張込み」で一躍脚光を浴びた。74年に製作・監督した「砂の器」で、モスクワ国際映画祭の審査員特別賞を受賞。78年には松本清張とともに製作プロダクション「霧プロ」を設立(84年解散)。また、時代劇、メロドラマなど多様な娯楽作品も撮り、製作者としては「八甲田山」「天城越え」を手がけるなど、多くのヒット作を生んだ。