ベネディクト16世。Benedict XVI。本名、ヨゼフ・ラッツィンガー。Joseph Alois Ratzinger。第265代ローマ教皇。
4月19日、ローマ教皇選出会議「コンクラーベ」は、保守派の論客として知られるローマ教皇庁教理省長官のヨゼフ・ラッツィンガー枢機卿を、第265代教皇に選出。
1927年、ドイツ・バイエルン州生まれ。農家出身の警察官の家庭に生まれる。少年期にはナチスの青少年組織“ヒトラー・ユーゲント”への加入を余儀なくされ、第二次世界大戦中は神学校から航空機エンジンの工場に徴用される。大戦末期には陸軍に所属したが、同盟国側の捕虜になった。戦後は再び神学を学び、51年司祭に叙階された。53年には神学の博士号を取得。以後、フライジング大学などで教壇に立った。60年代の第2バチカン公会議で顧問となる。パウロ6世により、77年ミュンヘン・フライジング大司教、枢機卿に親任。81年ローマ教皇庁の教理省長官などに就任。教皇の補佐として、教会の宗教的純粋性を重んじた前教皇を支えて名をあげる。ドイツ人の教皇選出は950年ぶり。