セキノ・マサル。建築史家。1月25日、肺炎のため、東京都西東京市の自宅で死去。91歳。
1909年東京都出身。建築史家、関野貞(ただす)の長男に生まれる。親子2代続いた建築史家。東大建築学科卒業後、東大教授、東京国立文化財研究所所長、「明治村」館長などを歴任。戦災で荒廃した文化財の保護に、ガンマ線、合成樹脂、写真測量などの科学的技法を積極的に導入し、文化財保護に尽力。専門の建築だけにとどまらず、鎌倉大仏、登呂遺跡、法隆寺金堂、高松塚古墳壁画、姫路城など、全国各地の文化財の修復、保存、復元を手がける。79年、勲二等瑞宝章。89年、文化財保護分野のノーベル賞といわれる「ガゾラ賞」を受賞。90年、文化功労者。著書に「日本住宅小史」「文化財と建築史」など。