テシガワラ・ヒロシ。映画監督、華道草月流3代目家元。
4月14日、映画監督、華道草月流家元の勅使河原宏さんが、急性リンパ性白血病と真菌性肺炎のため、東京新宿区の病院で死去。74歳。
27年、東京都生まれ。華道家、勅使河原蒼風(そうふう)の長男。東京美術学校(現・東京芸術大学)油絵科卒。53年、美術映画「北斎」の監督・製作をきっかけに映画界に入り、亀井文夫・木下恵介両監督に師事。62年、安部公房と組んだ劇映画第1作「おとし穴」でNHK新人監督賞。64年「砂の女」でカンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞。その後も「他人の顔」「燃えつきた地図」などを発表。72年以後、映画から陶芸に転向。80年、草月流2代目家元だった妹の霞さんの死去で、3代目家元に就任。89年「利休」、92年「豪姫」を監督。映画監督としては寡作だったが、ビジュアル的にも秀逸な、世界に通用する作品を送り出した。