マキ・ジロウ。物理学者。
5月31日、ニュートリノの理論で先駆けとなる業績をあげた物理学者の牧二郎さんが、心不全のため死去。76歳。
1929年、東京生まれ。東京文理科大学(現・筑波大学)卒業。名古屋大学助教授を経て、67年京都大学基礎物理学研究所教授となった。70~76年および80~86年同研究所長に就任、83年と88年には日本物理学会会長、第13期日本学術会議会員を歴任。92年京大退官後は京都大学名誉教授となり、また、99年まで近畿大学教授を務めた。朝永振一郎・坂田昌一両博士の指導を受け、それまでの素粒子理論(標準理論)では「ない」とみなされていたが、「ニュートリノにも質量がある」と示唆する「ニュートリノ振動」の理論を提唱するなど、現在のクオークモデルの先駆けとなるなど素粒子物理学の分野で顕著な業績をあげた。