マフムード・アフマディネジャド。Mahmoud Ahmadinejad。政治家。
6月25日、イラン大統領選の決選投票が開票され、保守強硬派でテヘラン市長のアフマディネジャドが、穏健現実派のラフサンジャニ前大統領を破り初当選。
1956年、イラン・ガルムサール生まれ。鍛冶屋を営む家庭で育ち、イラン科学産業大学で土木工学を専攻。交通工学で博士号を得た。80年、反革命勢力を武力排除するために設立された革命防衛隊に入隊し、イラン・イラク戦争に従軍。その後は93年にイラン北西部のアルダビル州知事に就任。地震で崩壊した街の再建に尽力し、その手腕を評価された。03年にテヘラン市長に就いてからは、豪華な市長邸に住むことを拒否、大衆車を自ら運転し、粗食で通すなどクリーンなイメージを強調。また毎週木曜日を市民の声を直接聞く日と定めるなど、民衆派のイメージも持たれている。一方では、市内のファストフード店を閉鎖したり、男性職員にひげを生やすよう命じるなど、イスラム原理主義的な施策を行った。また、当人は強く否定しているが、79年のアメリカ大使館占拠事件に加わっていたのではないかという説もアメリカで報道された。氏の大統領就任により保守派が立法、司法府、行政府の三権を独占することとなり、同国の核開発疑惑に加え西側諸国にとって懸念の種が増えた。