ファハド・ビン・アブドルアジズ。Fahd Bin Abdul Aziz。サウジアラビア第5代国王。
8月1日、世界最大の産油国サウジアラビアのファハド・ビン・アブドルアジズ第5代国王が病気のため死去。正確な年齢は不明だが、82歳前後とみられる。
生年不祥、リヤド生まれ。1982年、ハリド第4代国王の死去に伴い即位。その後は世界最大の石油輸出国であることを背景に、ペルシャ湾岸諸国に強いリーダーシップを発揮した。また、イスラム教の二大聖地であるメッカとメディナの守護者としてアラブ、イスラム世界に大きな発言力を持った。90年、湾岸危機に際してアメリカ軍主体の多国籍軍を国内に受け入れ、その後もアメリカ主導の中東和平交渉を支援するなど、対米協調を重視する政策を推し進めた。このアメリカ重視政策がサウジアラビア出身のウサマ・ビンラディン容疑者らイスラム原理主義勢力の反発を招き、政府施設や外国人を狙った爆弾テロなどにたびたび見舞われた。95年に国王が脳卒中で倒れて以降、国王療養中は実質的にアブドラ皇太子が国政を握っていた。その間のアブドラ皇太子の政治方針がファハド国王と変わりないため、新体制発足によって内政や外交に大きな変化が生じることはないとみられる。