マツシマ・コウジロウ。兵庫県立コウノトリの郷公園元飼育長。
9月24日、兵庫県のコウノトリの郷公園が、人工飼育した5羽のコウノトリを試験放鳥。飼育に携わった人々が万感の思いで見守った。
1941年、兵庫県生まれ。1957年、兵庫県立豊岡高校に入学。生物部に所属し、自身の子供の頃に比べ個体数が激減したコウノトリの生態に関心を持つ。卒業後は、かばんを製造する会社に勤務するかたわら、コウノトリの行動調査に参加。65年、地元自治体によって人工飼育が開始されると、熱心な研究姿勢が評価され専属飼育員に選出される。71年、野生最後の1羽が死に、日本国内の野生コウノトリが絶滅。残り少ない人工飼育中のコウノトリからもヒナが生まれず、苦悩の日々を送った。しかし、89年に旧ソ連から譲り受けたコウノトリの卵が孵化(ふか)。その後、孵化は次々に成功し、現在も順調に飼育が続けられている。