フィリップ・トルシエ。Philippe Troussier。サッカー日本代表チーム監督。
5月31日、「FIFAコンフェデレーションズカップ2001(コンフェデ杯)」のグループリーグ第1戦、対カナダ戦を、日本チームは「3-0」で快勝。6月2日、第2戦の対カメルーン戦も「2-0」で下し、勝ち点を「6」として、早々と決勝トーナメント進出を決定。この時点で、トルシエ監督の2002年W杯本大会までの続投が決まった。
3月にフランス・サンドニで行われたフランス代表との対戦で「5-0」と完膚無きまでに叩きつぶされて、赤信号がともった「トルシエ・ジャパン」。トルシエ監督の追試となった4月のスペイン代表との対戦では、ただただ守り抜くだけの凡戦となり「1-0」の敗戦。コンフェデ杯の結果次第では、監督交代必至の声も高まっていたが、トルシエ監督はその苦境を抜群の勝負運で乗り切った。負傷者続出で急遽、代表FW入りした鈴木隆行(鹿島)のカメルーン戦での2得点などは、トルシエの強運の最たるもの。戦術、選手起用については議論が残るところだが、勝ち運のある監督はそれこそが才能。サポーターの信頼を勝ち取ったトルシエ・ジャパンの2002年本大会での活躍を期待したい。
1955年、パリ生まれ。76~83年までフランスリーグでセンターバックの選手として活躍。84年、プロ・コーチとなり、88年からコートジボアール、南アフリカ、ナイジェリアなどの代表監督を務め、「白い妖術師」の異名をとる。98年W杯フランス大会では、初出場の南アフリカ監督として2分け1敗の好成績。98年、アーセナルのベンゲル監督の推薦で、2年契約で日本代表監督に就任。99年世界ユース選手権でU-20日本代表を準優勝に導き、A代表チームの世代交代を推進。2000年9月、02年W杯まで監督契約を延長。シドニー五輪では決勝トーナメントに進出、アジア杯では優勝を果たした。01年4月、アジアサッカー連盟の年間最優秀監督賞を受賞。フジTVとテレビ出演の契約を結ぶなど、ピッチ外のパフォーマンスも多く、話題にこと欠かない名物監督に。