ハンムラ・リョウ。本名、清野平太郎。作家。
3月4日、『妖星伝』『雨やどり』など、SFや伝奇ロマンから時代小説、下町の人情話まで、多彩な作風で知られた直木賞作家の半村良さんが、肺炎のため、東京都渋谷区の病院で死去。68歳。
1933年、東京都深川生まれ。両国高校卒。父親の急死で大学進学をあきらめ、事務員、工員、板前見習い、バーテン、クラブ支配人など30以上の職業遍歴を経て作家に。62年、「SFマガジン」の小説コンテストに「収穫」が佳作入選。71年の『石の血脈』で伝奇SFという新ジャンルを開拓。『産霊山(むすびのやま)秘録』(72年)で第1回泉鏡花文学賞(73年)を受賞。以後、75年、『雨やどり』で直木賞、88年、『岬一郎の抵抗』で日本SF大賞、93年、『かかし長屋』で柴田錬三郎賞を受賞。その他代表作に、映画化されて話題となった『戦国自衛隊』、18年がかりで完結した伝奇長編『妖星伝』(77~95年)、江戸の人情捕物帖『どぶどろ』など。