ツジモト・キヨミ。元社民党衆院議員。
3月26日、社民党の辻元清美議員は、元政策秘書の給与不正受給疑惑の責任をとって、衆院議長に議員辞職願を提出した。
鈴木宗男衆院議員の衆院予算委での証人喚問で、「疑惑の総合商社」などと、舌鋒(ぜっぽう)鋭く、疑惑追及の先頭に立っていた辻元議員だったが、20日に発売された「週刊新潮」で、元政策秘書の給与不正受給疑惑を指摘された。辻元議員は記者会見で疑惑を全面否定したが、その後の調査で、元政策秘書には「名義借り」で5万円だけしか支払われていなかったこと、秘書給与の大半が事務所の人件費などに流用されていたことが判明し、辻元議員の釈明も二転三転。特定のテレビ番組を通じての釈明戦略が世論の反発を受け、秘書給与流用が社民党の構造的な政治資金調達手法だったのではとの追及を受けるにいたって、議員職を投げ出さざるをえなくなったもの。なお、政策秘書の給与流用問題は、与野党を問わず、多くの議員に同様の疑惑が指摘されている。
1960年、奈良県生まれ。早稲田大学在学中に、アジア各地を巡る民間国際交流団体「ピースボート」を設立。その後、NGO運動、出版企画などで活躍。96年、社民党の党再建の切り札として、土井たか子党首に請われて衆院選に立候補し、比例近畿ブロックで初当選(2期目は大阪10区)。98年、社民党幹事長代理。2000年、党政審会長。