ミハイル・フラトコフ。Mikhail Fradkov。ロシア新首相。
3月1日、ロシアのプーチン大統領は、電撃解任したカシヤノフ前首相の後任としてミハイル・フラトコフ欧州連合担当特使を指名。
1950年、旧ソ連・サマラ州生まれ。72年モスクワ工作機械大学および、81年海外貿易アカデミー卒業。73年より対外経済関係省に勤務し、貿易交渉や政策立案を担当。行革で職場を追われ一時民間企業で働いていたが、99年には貿易相に抜擢された。その後、プーチン大統領に重用され安保会議スタッフとなり、2001年から03年初めまで連邦税務警察局長官を務め、ロシア石油大手ユーコスのホドルコフスキー社長の脱税容疑摘発で手腕を発揮。EU特使となってからは、ロシアとEUとの関係が悪化するなか、EUのキーマンたちと非常に良い個人的関係を築き上げて来たと評価されている。新興財閥に近いとされるカシヤノフ前首相を更迭した今回の首相交代劇は、3月14日の大統領選で2期目を目指すプーチン大統領が、新興財閥や汚職と戦い続ける姿勢を国民に示すねらいだと見られている。