フレッド・ホイップル。Fred Lawrence Whipple。天文学者。
8月30日、彗星核は塵の混じった氷からできているという「汚れた雪玉」モデルを提唱した、アメリカの天文学者フレッド・ホイップルさんが死去。97歳。
1906年、アメリカ・アイオワ州生まれ。カリフォルニア州立大学で数学を学んだのち、天文学に転向。1931年ハーバード大学に移った。1950年代に、彗星核が塵の混じった氷からできているという「汚れた雪玉」モデルを発表。雪玉からの水の蒸発によって彗星核の軌道が変化する「非重力効果」の謎を解決し、当時知られていたエンケ彗星の軌道のずれを定量的に説明することに成功。86年、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の探査機ジオットが、ハレー彗星のそばを通過した際の観測で、これらの理論の正しさが実証された。また精力的な観測で6個の新彗星を発見するなど、その生涯を彗星や流星といった太陽系天体の研究に捧げた。