モリムラ・カツラ。本名、三宅桂。作家。
9月27日、「天国にいちばん近い島」などの作品で知られる作家の森村桂さんが死去。64歳。
1940年、東京生まれ。父は行動主義文学の代表作家である豊田三郎。学習院大学国文科卒業後、暮しの手帖社に入社。退社後の64年に単身でニューカレドニアへ渡る。そして66年、南の島での体験を書いた「天国にいちばん近い島」を執筆。同作品は84年に大林宣彦監督により映画化されるなど、長い間若い女性などを中心に支持を集めた。ほかにも「違っているかしら」「結婚志願」など、はつらつとした現代の女性を描いた作品があり、エッセーや小説など著書は80冊以上。83年長野県軽井沢町に移り住み、約2年後「アリスの丘ティールーム」を開店。「忘れんぼのバナナケーキ」「星のオルゴール」といった創作ケーキが人気を呼んだ。また絵画も手がけ、阪神大震災の犠牲者を悼んだ「人魚の涙」が神戸市役所に飾られているほか、JR軽井沢駅の壁画の制作にもかかわっていた。97年ごろから体調を崩し入退院を繰り返していたが、2004年9月23日、うつ病の病状が悪化し入院。長野県警は自殺と見て調べている。