ヘルムート・ジーモン。Helmut Simon。登山家。
10月23日、世界最古の冷凍ミイラ「アイスマン」を発見したヘルムート・ジーモンさんが、オーストリア・ザルツブルク南部の山中で亡くなっているのが発見された。67歳。
1937年、ドイツ・ニュルンベルク生まれ。91年9月、妻のエリカさんとオーストリア国境に近いイタリアのチロル地方のエッツタール・アルプスを登山中、遭難者と思われる凍結遺体を発見し、当局に連絡。その後の調べで遺体は約5300年前の冷凍ミイラだと判明。発見場所にちなんで「エッツィー」と名付けられた。ミイラは、争いに巻き込まれ、背中を矢で射られ高山に逃れたものの力尽きて死亡した、新石器時代の男性ではないかと考えられている。ジーモンさんは、98年からエッツィーを展示している博物館が年間200万ユーロ以上の入場料収入を得ているにもかかわらず、第一発見者としての正当な扱いを受けていないとして裁判で争っていた。10月15日から1人で登山に出かけたまま、行方がわからなくなっていたジーモンさんを発見した救助隊によると、滑落死と見られている。