ヨシムラ・サクジ。考古学者。
1月21日、吉村作治教授が隊長を務める早稲田大学古代エジプト調査隊は、カイロ近郊のダハシュール北遺跡で、古代エジプト中王国時代~第2中間期(約4000~3500年前)ごろのものと思われる未盗掘の彩色木棺を発掘した、と発表。
1943年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部(美術史)卒業。「考古学とは発掘学、形質人類学、文化人類学、民俗学、美術史学、建築学などの総合学問」が持論で、自身は工学博士。子供のころに読んだ本がきっかけでエジプトに興味を持ち、66年早稲田大学在学中にアジア初の調査隊を組織しエジプトで初調査。67年カイロ大学考古学研究所に留学、エジプト考古庁から発掘権を得て、長年にわたり発掘を続けている。魚の丘遺跡(アメンヘテプ3世祭殿)発見など、一連の発掘調査で国際的評価を得た。87年からはハイテクを利用した調査を開始。日本にエジプト文明の知識を広めるためテレビやラジオにも出演、数多くの講演をこなし、エジプト関連の著書も多い。96年にはダハシュール北遺跡において3400年前の貴族の墓地群を発見。2002年9月にはアブ・シール南遺跡で世界最古級の大型石造建造物を発見するなど、注目を集めていた。