マーク・フェルト。 William Mark Felt。元アメリカ連邦捜査局(FBI)副長官。
5月31日、ワシントン・ポスト紙がニクソン元大統領を辞任に追い込んだ1972年のウォーターゲート事件に関する主要情報源「ディープ・スロート」は、マーク・フェルトだと認めた。
1913年、アメリカ・アイダホ州生まれ。42年にFBI入り。「ウォーターゲート事件」とは、ワシントンのウォーターゲートビルにある民主党全国委員会本部に、共和党のニクソン再選支持派が盗聴器を仕掛けようとして侵入、逮捕された事件。マーク・フェルトは当時、副長官の要職についていた。同事件でホワイトハウスは関与を否定したが、ワシントン・ポスト紙のボブ・ウッドワード記者とカール・バーンスタイン記者が調査報道で追及。同事件を発端とし、ニクソン大統領は辞任し、大統領首席補佐官と法律顧問が逮捕されるアメリカ政治史上最大のスキャンダルとなった。両記者は事件の情報源の正体を当時流行したポルノ映画のタイトルになぞらえ「ディープ・スロート」と呼び、30年以上にわたってその秘密を守り通してきた。しかし、月刊誌「バニティ・フェア」のインタビューでフェルト自らがディープ・スロートであることを公表。ワシントン・ポスト紙が確認し、アメリカ政界、メディアの「最大の謎」が明らかになった。