リチャード・スモーリー。Richard E. Smalley。化学者。
10月28日、サッカーボール形の炭素分子「C60」フラーレンを発見してノーベル化学賞を受賞したアメリカのリチャード・スモーリーさんががんのため死去。62歳。
1943年、オハイオ州アクロン生まれ。ローティーンの頃、母に連れていかれた大学の物理化学の授業を耳にしたことがきっかけで科学に興味を持った。ミシガン大学卒業後、プリンストン大学などを経てライス大学の教授に就任。85年、炭素原子60個で形成されるサッカーボール型の分子「C60」の合成に成功、「バッキーボール」と名づける。これはのちに別名フラーレンと呼ばれ、超伝導などの科学分野に新たな可能性を開くきっかけとなった。この研究が評価され、96年にノーベル化学賞を受賞。フラーレンは、電気化学的特性、ガス吸蔵特性、機械的特性、光学的特性を示すことにより、次世代のさまざまな製品開発の可能性を持っている、といわれる。その後もナノテクノロジー発展のため研究を続けていた。