ベティ・フリーダン。Betty Friedan。女性運動家。
2月4日、フェミニズム運動の火付け役となったベティ・フリーダンさんが、うっ血性心不全のため死去。85歳の誕生日だった。
1921年、アメリカのイリノイ州で、宝石商を営む富裕な家庭に生まれる。マサチューセッツ州のスミス・カレッジで心理学を学び、42年に卒業。さらにカリフォルニア大学バークレー校大学院でも学んだ。ニューヨークに転居して様々な職業を経験した後、ライターとして執筆活動を行う。労働問題を中心に雑誌や労働組合の機関紙などに寄稿していたが、出産休暇を取ったため解雇される。63年、大学時代の友人の女性たちに行った取材を基に「女らしさの神話」(邦題「新しい女性の創造」)を出版。夫や子供の成功が幸福だと語る友人たちの生活を描写し、アメリカ社会における女性の役割に疑問を投げかけた。同書は260万部以上のベストセラーとなり、フェミニズム運動の発端ともなった。66年、全米女性機構(NOW National Organization for Women)を創設し初代会長に就任。他の著書に、実りある老後について記した93年の「老いの泉」などがある。