ドナルド・ラムズフェルド。Donald RUMSFELD。ブッシュ政権国防長官。1月20日、ブッシュ大統領の就任式が行われ、新政権がスタートした。新政権の国防長官に就任したのがラムズフェルド氏。東西冷戦時代のフォード政権で国防長官を務めており、24年ぶりの返り咲きとなる。ラムズフェルド氏は、98年7月に、議会の「弾道ミサイル脅威評価委員会」委員長として、北朝鮮が5年以内に長距離弾道ミサイルを開発する能力があるとする「ラムズフェルド報告書」をまとめており、その直後に北朝鮮によるテポドン1号の発射実験が行われたこともあって、クリントン前政権にアメリカ本土ミサイル防衛網(NMD)開発を決断させた人物でもある。ブッシュ大統領は、すでにNMDの開発費に、より高い優先順位が与えられると発言しており、NMD配備が新政権の安全保障政策の基本戦略となる可能性が高い。ラムズフェルド氏の再登場は、NMD構想に反発しているロシアや中国との関係や、前政権で関係改善が進んだ北朝鮮政策にも大きな影響を与えることになろう。
32年シカゴ出身。プリンストン大卒業後、海軍に入隊。63年、30歳でイリノイ州選出の共和党下院議員となり、政界入り。69年、ニクソン政権のスタッフとなるため、議員を辞職。ニクソン政権で大統領顧問、北大西洋条約機構(NATO)大使、フォード政権で首席大統領補佐官、75~77年、史上最年少の国防長官など、共和党政権の要職を歴任。