マルセ・タロウ。本名、金原正周(きんばら・まさのり)。ボードビリアン。1月22日、独特の一人話芸で活躍したボードビリアン、マルセ太郎さんが、岡山市の病院で肝臓ガンのため死去。67歳。
33年、大阪市生野区に在日朝鮮人2世として生まれる。高津高校を卒業後、俳優を志して上京。マルセル・マルソーのパントマイムの舞台に触発され、芸名も「マルセ太郎」と名乗り、56年に日劇ミュージックホールでパントマイム役者としてデビュー。コメディードンキーズ、スタミナトリオなどでコント芸を磨き、サルなどの動物形態模写の芸で人気を集めた。85年以後、1本の映画を一人で丸ごとしゃべり演じ再現するという独創的な一人話芸「スクリーンのない映画館」シリーズを、東京都渋谷のジァン・ジァンを拠点に連続公演。また、93年以後は、自ら作・演出を手がけて、全国各地で演劇公演を行う。代表作は、「スクリーンのない映画館」シリーズの「泥の河」、在日2世としての自伝的演劇作品「イカイノ物語」など。著書に「芸人魂」「奇病の人」。