シルヴィオ・ベルルスコーニ。Silvio Berlusconi。イタリアの元首相、実業家。フォルツァ・イタリア党首、フィニンベスト・グループのオーナー。
5月14日、開票が行われたイタリアの総選挙は、ベルルスコーニ元首相が率いる野党・中道右派連合「自由の家」が、上下両院で過半数を制し、与党・中道左派連合の「オリーブの木」に代わって、ベルルスコーニ元首相の7年ぶりの政権返り咲きが確実に。
中道右派連合政権には、ベルルスコーニ氏の個人政党「フォルツァ(がんばれ)・イタリア」を中心に、移民排斥を掲げる「北部連合」や、旧ファシスト党の流れをくむ民族主義政党「国民同盟」なども、政権参加する見込み。このため、これまで英独仏伊の各国の社民・中道左派政権が、互いに協調して推進してきた雇用、社会保障、税制、移民や国家権限の委譲などに関するEU政策と、相容れない可能性が懸念される。
1936年、ミラノ生まれ。ミラノ大学法学部卒。20代で建設会社を始め、ミラノ郊外の住宅開発に成功。70年代から放送、広告、出版、金融、流通など多方面に進出し、300社を数えるフィニンベスト・グループを築き上げる。資産1兆数千億円というイタリアン・ドリームの体現者。プロサッカーのACミランや民放テレビ局3社のオーナーで、メディアを巧みに使って政界にも進出。94年、個人政党「フォルツァ・イタリア」を組織して総選挙に勝利し、首相に就任したが、脱税やクラクシ元首相への贈賄疑惑などで、7カ月で首相辞任。