ハラ・チエコ。ピアニスト。
12月9日、日本の女性ピアニストの草分け的な存在で、戦前のヨーロッパで活躍した原智恵子さんが、老衰のため、東京都青梅市の病院で死去。86歳。
1915年、神戸市生まれ。7歳でスペイン人ピアニストのペトロ・ビラベルデに師事。9歳で天才少女ピアニストとしてデビューし、28年、13歳で、フランスに留学。パリ音楽院でラザール・レヴィに、卒業後はアルフレッド・コルトーに学ぶ。32年、音楽院のコンクールで1位となって注目され、パリでデビュー。37年のショパン国際コンクールで特別賞を受賞し、以後、ヨーロッパを中心に活動した。戦後、59年に、世界的チェリストのガスパール・カサドと結婚してイタリアのフィレンツェに住み、夫の死後、カサド国際チェロ・コンクールを主催して、若い音楽家の育成に尽力した。90年以後、体調を崩して帰国し、日本で療養を続けていた。87年、勲三等宝冠章を受賞。