すずき・むねお。衆議院議員(北海道比例区・自民党橋本派)。元北海道・沖縄開発庁長官。
1月29日、アフガニスタン復興支援国際会議に、一部NGO(非政府組織)の出席が排除された問題で、外務省に圧力をかけてNGOの参加を拒否させたと報道されていた自民党の鈴木宗男衆議院議員が、衆院議院運営委員長を辞任。
NGO排除問題による国会審議の空転を恐れて、小泉純一郎首相は、1月29日に、田中真紀子外相と野上義二外務事務次官を更迭。これに合わせて「三方一両損」の処置として、鈴木議員も、議院運営委員長と外務省のODA(政府開発援助)決定に強い影響力を持つ自民党対外経済協力委員長の座を下りることになったもの。
鈴木議員がどのように外務省に圧力をかけたのかは、今後の国会での審議をまたなければならないが、一切、関与していなかったのであれば、辞任する理由は見当たらない。外務省が予算獲得のために、常々、頼りにしてきた「外交族」の筆頭が鈴木議員。その見返りに、ODA予算の割り振りにも鈴木議員が影響力を発揮していたとされ、小泉首相も、2月13日の衆院予算委員会の答弁で、北方四島やアフリカ向けODA事業を受注した企業からの鈴木議員に対する政治献金などについて実態調査をすることを約束した。
1948年、北海道出身。拓殖大学卒。中川一郎代議士の秘書を経て、83年、衆院議員に初当選。以後、防衛政務次官、外務政務次官、北海道・沖縄開発庁長官(第2次橋本改造内閣)などを歴任。2002年1月に衆院議院運営委員長に就任。