モリシマ・ミチオ。理論経済学者。
7月13日、「日本人初のノーベル経済学賞」の候補と期待されていた世界的理論経済学者の森嶋通夫さんが、イギリスで死去。80歳。
1923年、大阪市生まれ。46年京都大学経済学部卒業。京大講師を経て、50年助教授。51年大阪大学に転じ、68年渡英するまで教授。エセックス大学客員教授を経て、70年からロンドン大学教授。この間、65年には日本人として初めて国際計量経済学会会長に就いている。数学を駆使して新古典派の動学的成長理論の体系化に寄与。また経済学史の現代的解釈を示した一連の著作で国際的な評価を高めた。早くから日本人初のノーベル経済学賞候補と有力視されていた。76年文化勲章を受章。ベストセラーとなった「イギリスと日本」のほか、主な著書に、「動学的経済理論」「資本主義経済の変動理論」「近代社会の経済理論」「無資源国の経済学」「サッチャー時代のイギリス」「なぜ日本は行き詰ったか」など。ほかに自伝「血にコクリコの花咲けば」がある。