リキタケ・ツネジ。地球物理学者。
8月22日、日本の地震予知研究をリードしてきた元東大地震研究所長の力武常次さんが肺炎のため死去。83歳。
1921年、東京生まれ。42年東京帝国大学理学部卒業後、同大地震研の助手となり、63年教授。70年同研究所所長。75年、東京工業大学教授となった。この間にイギリス留学、トルコや、アメリカのコロラド大学で客員教授を務めるなど、「頭脳流出」として話題になった。地球磁場の成因についての「力武モデル」を提唱したことで知られる。東海地震予知のための地震防災対策強化地域判定会副会長も務めるなど、地震予知論の体系化に尽力したことでも知られ、73年には根室沖の地震の危険について発言した2か月後に、根室半島沖地震が発生し注目された。著書に「地球電磁気学」「地震予知論入門」などがある。