アルベルト・フジモリ。Alberto FUJIMORI。日本名、藤森謙也(ふじもり・けんや)。ペルー前大統領。11月21日、ペルー国会は、滞在中の日本から辞表を提出したフジモリ大統領に対して罷免を決議。3期10年にわたるフジモリ政権に幕。暫定大統領にはパニアグア国会議長が就任。反フジモリ派の暫定政権は、フジモリ氏とモンテシノス前国家情報局顧問の不正蓄財容疑などを解明するため、フジモリ氏の帰国を求めているが、フジモリ氏はペルー国籍と同時に日本国籍も所持しているとして、日本に長期滞在を希望。法務省も、旧国籍法によって二重国籍状態になっているフジモリ氏の日本国籍を確認しており、フジモリ氏が日本国籍を選択する場合は、それを認める方針。フジモリ氏の不正蓄財などが判明しても、日本とペルーの間には犯罪人引き渡し条約がないため、将来的には外交問題に波及する恐れも。
38年ペルー生まれ。両親は熊本県出身の日系2世。ラ・モリナ国立農大学長などを経て、88年「カンビオ(変化)90」を結成して政界入り。90年6月の大統領選で、作家のバルガス・リョサを破り、初当選。大統領大権を行使して、経済再建と左翼ゲリラ鎮圧に成功。95年に再選後、憲法で禁止されていた3選を可能にする新法を制定。00年5月、対立候補の決選投票ボイコットで3選を果たしたが、モンテシノス前顧問の野党議員買収工作が発覚。9月には大統領職からの早期退陣を表明していた。