ヤマサキ・タク。元建設相、自民党幹事長、衆議院議員(福岡2区)。
4月25日、自民党の小泉純一郎新総裁は、党3役人事を決定。幹事長に山崎拓元政調会長(山崎派)、総務会長に堀内光雄元通産相(堀内派)、政調会長に麻生太郎経済財政担当相(河野グループ)を起用。昨年の「加藤政局」の結果、非主流派に追いやられていた山崎氏が幹事長として表舞台に復活。加藤政局では敵味方に分かれたものの、小泉新総裁が「女房役」に選んだのは、「YKKトリオ」の盟友ということになり、厚い信頼関係がうかがえる。
最大派閥の橋本派が党3役人事から外れたのは、「経世会支配」と呼ばれて久しい自民党を考えると、極めて異例。多数の議員を抱える森派、江藤・亀井派も3役から外れ、中小派閥からだけの3役起用となった。小泉総裁が「脱派閥」の公約を即実行したとも言えるが、排除された形の橋本派、幹事長ポストを期待して、総裁選本選から小泉支持に回った江藤・亀井派からは反感を買うことになろう。総裁選を前倒しした理由自体が、「森首相では参院選を戦えない」という点にあったことを考えると、新執行部は参院選を乗り切るための「小泉ブーム」による緊急執行部ともいえ、6月の都議選、7月の参院選の結果次第では、党内抗争が再燃するケースもありうる。
1936年、中国・大連生まれ。早稲田大学商学部卒業後、サラリーマンを経て、67年、福岡県議に。72年、2度目の挑戦で衆院議員に。当選10回。89年、宇野内閣で防衛庁長官、91年、宮沢内閣で建設大臣。95年、党政調会長。98年、旧渡辺派を離脱して山崎派を結成。