マツムラ・アキラ。国語学者、東京大学名誉教授。
11月22日、「大辞林」などの編者として知られる国語学者の松村明さんが、肺炎のため、埼玉県東松山市の病院で死去。85歳。
1916年、東京都出身。40年、東京帝国大学文学部卒。鹿児島大学、お茶の水女子大学などの助教授を経て、62年、東京大学教授に。蘭学などの洋学研究を通じて、近代国語史学を体系づける研究を行う。また、60年から三省堂の国語辞典「大辞林」の責任編集長として、29年がかりで編集作業を進め、88年に刊行。現代語の語義、用法を重視した新しい辞書として、「大辞林」は改訂版を合わせて100万部のベストセラーになる。95年に刊行された小学館の「大辞泉」も監修。70~91年まで、国語審議会委員を務め、「常用漢字表」や「外来語の表記」の改定に携わった。著書に、『江戸ことば・東京ことば』『洋学資料と近代日本語の研究』『日本語の展開』など。