ヌマタ・マコト。植物学者、日本自然保護協会会長。
12月30日、日本自然保護協会の会長で、自然保護に尽力した千葉大学名誉教授の沼田真さんが、呼吸不全のため、千葉市内の病院で死去。84歳。
1917年、茨城県生まれ。42年、東京文理科大学(現・筑波大学)生物学科卒業。理学博士。日本の植物生態学の第一人者として、植物群落の構造や遷移(せんい)を徹底的に研究した。研究のかたわら、51年に設立された日本自然保護協会に参加して環境保護運動に取り組み、尾瀬のオーバーユース規制、白神山地、屋久島の世界自然遺産登録、日本初の植物レッドデータブックの作成などの保護運動を指導。東京湾の干潟「三番瀬」の埋め立て計画でも、見直しを求める意見書を国や千葉県に提出するなど、晩年まで、自然保護運動に取り組んだ。
99年、国連環境計画(UNEP)から環境保護活動をたたえられ、「グローバル500賞」を受賞。2001年より日本自然保護協会は、自然保護の実践に取り組む個人や団体を表彰する「沼田真賞」を創設している。著書に、『生態学方法論』『植物の不思議』『自然保護という恩恵』『自然保護と生態学』など。