ヒャクタケ・ユウジ。アマチュア天文家。
4月10日、アマチュア天文家で、「百武彗星」の発見などで世界的にも知られる百武裕司さんが、大動脈瘤破裂のため、鹿児島県国分市内の病院で死去。51歳。
1950年、長崎県島原市生まれ。九州産業大学芸術学部写真学科卒。中学時代から天体観測に熱中。福岡市の新聞社に勤務する傍ら、自宅に作った手製の観測ドームにこもって観測を続ける。93年、夫人の実家がある鹿児島県隼人(はやと)町に移り、「コメット・ハンター(彗星探索者)」を目指して、観測作業を本格化。96年1月に単独発見した「1996B2」彗星が、国際天文学連合から新彗星として認定され、「百武彗星」と命名された。同彗星は、観測史上、もっとも尾が長い彗星として知られ、世界的に「大彗星ブーム」を巻き起こした。その業績により、鹿児島県民栄誉賞、「シカゴ名誉市民」の称号を受賞。96年、鹿児島県姶良(あいら)町が設立した町立天文台「スターランドAIRA」の館長に就任して、天体観測や望遠鏡作りを子供たちに指導していた。