ハミド・カルザイ。Hamid Karzai。アフガニスタン暫定行政機構議長(首相)。
1月21日、アフガニスタン暫定政権のハミド・カルザイ議長が、アフガニスタン復興支援国際会議で演説。20年以上にわたる内戦とタリバン政権の崩壊で、国家財政が破綻した状態にあるアフガニスタンの窮状を訴えた。暫定政権は6カ月の暫定期間を経て、新たに招集される「ロヤ・ジルガ(国民議会)」に権力を委譲する予定になっているが、反タリバン連合勢力も、さまざまな軍閥同士のいさかいなどで一枚岩ではない。国際社会からの復興援助が政権安定の頼みの綱で、2日間の会議中も、世界各国の政治指導者と次々に会談し、復興支援をとりつけた。
1955年、アフガニスタン・ウルズガン州出身。カルザイ家は、パシュトゥーン人の名門部族、ポパルザイ部族の族長の家系。祖父と父親は、ザヒル・シャー元国王の王政下で国会議長を務めた。インドの大学で政治学を学び、内戦初期はアメリカに滞在。その後、ソ連のアフガン侵攻に対する抵抗運動に加わり、92年のソ連軍撤退後、ラバニ政権で外務次官に。タリバン政権樹立後は、タリバンのイスラム原理主義政策に反対してパキスタンに逃れ、イスラム穏健派のアフガニスタン民族戦線を率いた。99年、タリバン系勢力に父親を暗殺されたことから、タリバンとの対決姿勢を強め、アメリカ同時多発テロ事件の発生で、アメリカの支援を受けてアフガニスタンに入り、タリバンとの戦闘を前線で指揮してきた。政治閥としてはザヒル・シャー元国王派に属する。