ミヤザキ・ハヤオ。アニメーション作家、漫画家。
2月17日、「第52回ベルリン映画祭」で、宮崎駿監督のアニメーション映画「千と千尋の神隠し」が最高賞の金熊賞を受賞。ベルリン、カンヌ、ベネチアの世界三大映画祭で、アニメーション映画が最高賞を受賞するのははじめて。また、ベルリン映画祭での日本映画の金熊賞受賞は、63年の今井正監督の「武士道残酷物語」以来2回目。
「千と千尋の神隠し」は、宮崎駿監督の8本目の長編劇映画。宮崎作品は、「となりのトトロ」「もののけ姫」などが欧米でも上映され、日本アニメファンを中心に人気が高かったが、映画を芸術作品として評価するヨーロッパの映画祭が、アニメーション映画に最高賞を与えたのは異例のこと。宮崎監督も、「アニメを映画として扱ってくれた映画祭の人たちに感謝したい」と受賞の喜びを語っている。なお、「千と千尋の神隠し」は、3月中にも、日本国内だけで興行収入300億円を突破する大ヒットとなるもよう。
1941年、東京生まれ。学習院大学卒業。東映動画で「太陽の王子・ホルスの大冒険」の製作に携わった後、「アルプスの少女ハイジ」など、テレビアニメ・シリーズを手がける。79年、「ルパン三世 カリオストロの城」で、劇場長編アニメを初監督。84年、「風の谷のナウシカ」の製作後、スタジオジブリを設立。以後、「天空の城ラピュタ」(86年)、「となりのトトロ」(88年)、「魔女の宅急便」(89年)、「紅の豚」(92年)、「もののけ姫」(97年)と、ヒット作を連発。94年には、12年間にわたって断続的に雑誌「アニメージュ」に連載した長編漫画「風の谷のナウシカ」を完結。国内の映画賞受賞歴は多数。2000年には、司馬遼太郎賞を受賞。01年10月には、東京都三鷹市の井の頭公園内に「三鷹の森ジブリ美術館」がオープンした。