ヤナギヤ・コサン。本名、小林盛夫。落語家。
5月16日、元落語協会会長で、落語界初の人間国宝、柳家小さんさんが心不全のため東京都豊島区の自宅で死去。87歳。
1915年、長野市生まれ。33年、4代目小さんに入門。36年、召集されて麻布第3連隊に入営。その直後、同連隊は「二・二六事件」で反乱軍となったため、戦後、事件の生き証人のひとりとしても話題に。39年、除隊後、小きんで二ツ目に。43年、再召集され、終戦はベトナムで迎える。46年復員後、高座に復帰し、47年、九代目小三治で真打ち昇進。50年には、35歳で大名跡、五代目小さんを襲名。愛嬌(あいきょう)のある風貌(ふうぼう)と「狸賽(たぬさい)」などの滑稽噺(こっけいばなし)で落語ファンから愛された。72~96年まで、落語協会会長を務め、真打ち昇進制度を変更するなど、落語界の改革に取り組んだが、前会長の三遊亭円生らが「真打ちの粗製乱造」と批判して、協会を脱退するなど、協会分裂を招いた。95年、落語界初の人間国宝に。