ムカイボウ・タカシ。元東京大学学長・元原子力委員会委員長代理。
7月4日、原子力の平和利用政策を推進した向坊隆さんが、心不全のため、死去。85歳。
1917年、旧満州・大連生まれ。39年、東京帝国大学工学部応用化学科卒。東大講師、助教授を経て、54年、最初の在米日本大使館科学担当書記官に赴任し、日米原子力協定をまとめた。東大に復帰後、原子力工学科(現・システム創成学科)の創設に尽力。77年から81年まで東大学長。退官後は91年まで国の原子力委員会委員長代理をつとめ、92年に日本原子力産業会議会長に就任。専門の応用化学を研究する一方、原子炉の材料について研究を進め、日本化学会会長、日中協会会長などを歴任。92年に文化功労者、2002年4月には世界原子力功労賞を受けた。