ルディガー・ドーンブッシュ。経済学者。
7月25日、外国為替市場の研究で知られる、国際経済学者のルディガー・ドーンブッシュ氏ががんのため死去。60歳。
1942年、ドイツ出身。為替レートの研究や国際経済の研究で有名なマサチューセッツ工科大学教授。スタンリー・フィッシャーと共著の「マクロ経済学」は10カ国語以上の言葉に翻訳され、世界中の大学で教科書として使われている。
ブラジル、アルゼンチン政府の客員コンサルタントを務めるなど、国際的な経済政策にも関心が深く、メキシコの経済通貨危機(94~95年)の発生を予言したことで名高い。クリントン政権時代の経済政策に大きな影響力を持っていたとされ、円高ドル安の必要性を主張、90年代後半には日本の公的債務の多さの危険性を指摘するなどの提言も行った。IMFは同氏の死去に際し、「経済の専門家にとって計り知れない損失」という声明を出した。