ミナミ・ハルオ。本名、北詰文司(きたづめぶんじ)。歌手。
4月14日、「お客様は神様です」の名セリフと、「雪の渡り鳥」「大利根無情」などのヒット曲で知られる歌手の三波春夫さんが、前立腺がんのため、東京都内の病院で死去。77歳。
23年、新潟県出身。39年、16歳で日本浪曲学校に入り、南篠文若の芸名で浪曲師に。44年に召集されて出征。4年間、シベリアで抑留生活を送ったのち、49年に帰国。「赤い浪曲師」として、反戦創作浪曲を手がけるが、歌謡界に転向。57年、三波春夫と改名して「チャンチキおけさ」が大ヒット。東京オリンピックでは「東京五輪音頭」、大阪万博では「世界の国からこんにちは」と、国家プロジェクトのテーマソングを、艶のある声で明るく歌い上げた「国民歌手」。「お客様は神様です」のキャッチフレーズ、きらびやかな着流しの舞台衣装とともに、高度経済成長期のシンボル的なキャラクターとして生彩を放った。著書に、「聖徳太子憲法は生きている」「熱血!日本偉人伝」など。